こんにちは。D研です。
今年2020年の梅雨は,雨がよく降るように思います。熊本県では豪雨災害が発生しました。
豪雨災害が発生すると,「むかしに比べて雨が強く降ることが増えた」と言われるのをよく聞きます。そこで,実際に強い雨が降る回数は増えたのかどうか調べてみました。
気象庁によると10mm以上20mm未満の雨は「やや強い雨」,20mm以上30mm未満は「強い雨」,30mm以上50mm未満は「激しい雨」,50mm以上80mm未満は「非常に激しい雨」,80mm以上は「猛烈な雨」と分類されています。そこで,今回は「強い雨」というのを「10mm以上の雨」として考えたいと思います。
まず,岡山市の1976年(6月1日~9月30日)と2019年(6月1日~9月30日)で,雨の降り方を比較してみました。(図1)
図1より,ほとんどの雨は10mm未満であることがわかります。10mm以上の雨が降る回数は,ほとんど変化していないように見えます。
それでは,1年ごとではどうでしょうか。岡山市での1976年から2019年の6月1日から9月30日で10mm以上の雨が降った回数をグラフにしました。(図2)
図2より,1時間雨量10mm以上の発生回数は,1年ごとに大きく変動することがわかります。そこで,1976年から1985年,2010年から2019年で降水量10mm以上の発生回数の平均をとってみると,それぞれ9.7回,12.7回でした。つまり,この数字だけ見ると約30年間の間に降水量10mm以上の発生回数は,1.3倍に増加したといえます。
以上の結果より,岡山市では,この30年間で「むかしに比べて雨が強く降ることが増えた」と感覚で感じられるほど強い雨が降る回数は増えていないように思います。また,「30年間に岡山市で強い雨が降る回数は増えた」と断言するには,さらに統計学的な手法を用いる必要がありそうです。
しかしながら,岡山市に限らず全国で強い雨が降る回数が増加傾向にあるというのは考えられる話です。これから先,被害が出るほどの強い雨が降ることが増え続けるならば,何らかの対策が必要でしょう。
そろそろ梅雨は明けそうですね。
以上,だーけんでした。