岡山大学公認サークル ダーウィニズム研究会

「農を考える会ダーウィニズム研究会」通称「D研(だーけん)」です。一時「自然科学研究会」に名称変更をしようとしていましたが、部員の話し合いの結果、もとに戻しました。

動物の青~節足動物と脊椎動物に青色色素は存在するか~

こんにちは。

ダーウィニズム研究会です。

 

 今回は「動物の青~節足動物脊椎動物に青色色素は存在するか~」ということで発表しました。

 

 動物には,さまざまな色があります。そのなかでも,生物好きに人気なのが青色です。鮮やかな青色をした鳥,オオルリや,モルフォチョウなどは絶大な人気を誇ります。

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オオルリ

 それでは,これらの青色は青色色素によるものなのでしょうか。実は,オオルリやモルフォチョウの青色は色素によるものではありません。「構造色」による青色です。

 

 構造色とは,それ自体は色を持っていないが,その微細な構造により,光を干渉または,回折,散乱し,ある光の波長を反射することでみられる色です。シャボン玉やCDがいろいろな色に見えることを想像してください。

 

 オオルリやモルフォチョウは,構造色によって青色を表現していたのです。もちろん,そのほかの多く青色の動物にも,構造色により青色を表現してるものがいます。(青色の構造色ばかり取り上げてますが,もちろん構造色は青色だけでなく,そのほかさまざまな色を表現できます。構造色と色素を組み合わせて使うこともあります。例えば,青色の構造色と黄色の色素を組み合わせて,緑色を表現している動物もいます。)

 

 青色を表現するのに構造色が使われていることが多いようですが,それでは動物に青色色素は存在するのでしょうか。調べたところ,「ビリン系色素」というものが存在することがわかりました。節足動物では,アオスジアゲハの翅の青はビリン系色素によるものです。また,バッタの緑色はビリン系色素と黄色色素を組み合わせることで表現されていることがわかりました。脊椎動物では,鳥の青い卵には,ビリン系色素が使われています。

 

 実のところ,節足動物脊椎動物に青色色素は存在しないのではないかと考えていたのですが,予想に反して青色色素は存在することがわかりました。ただ,確認したわけではないですが,青色色素を用いている陸生動物は少ないように感じます。もしそうならばどうして青色色素があまり使われていないのか,新たな疑問が生じました。

 

  追記

 今回は,「色」について扱いました。ただ,色を扱ううえで注意しておかなければならないのは,光の波長に色はなく,目の錐体細胞からの情報により脳内で色が付けられているということです。例えば,ヒトは3色型色覚ですが,鳥は4色型色覚(しかもヒトの錐体細胞よりもバランスがいい)を持っています。このような動物はヒトより断然鮮やかな世界を見ているはずです。