こんにちは!D研です。
10月も下旬になり、急に寒くなってきましたね。
今回はその寒さがテーマです。
気象についての話題は難しいですが、調べると天気予報を見るのが楽しくなります。
では、さっそく見ていきましょう!
最近急に寒くなったという話をしましたが、実際にはどうなのでしょうか。
上に示したのは、2021年10月15日から18日までの岡山市の気温のグラフです。
朝の最低気温と昼の最高気温をつないだだけの簡単なグラフですが、グラフの色が変わっているあたりで急に気温が下がったのが分かります。
それに前後して、前線が通過して岡山市に雨を降らせています。
さらに上空には寒気が流れ込んできています。
「寒気」という言葉を聞いて、冬の天気予報を思い浮かべる方もいるかもしれません。
冬の天気予報を聞いているとよく「日本列島の上空5500メートル付近には氷点下36度の強い寒気が流れ込んでおり」というような言葉を耳にします。
天気予報でもよく注目されるように、上空の寒気は地上付近の天気や気温にも大きな影響を与えています。
例えば「上空1500m付近で-6℃の寒気」は、日本海側の平地で雪になる目安とされています。
このような寒気は、全国16か所の観測点から気球を飛ばすことで観測しています。
我らが岡山のある中国地方では、松江に観測点があります。
(気象庁HPの「過去の気象データ検索(高層)」より作成)
上に載せたのは、先ほど見た「岡山市気温」のグラフとほぼ同じ期間である、2021年10月15日から17日の、松江の上空1500m付近の気温のデータです。
観測点の高度はほとんど変わらないのにもかかわらず、2日間で13℃も気温が下がっています。
上空に寒気が流れ込んできていることを示しています。
寒気が流れ込んでくると、「大気の状態が不安定」になるという話も天気予報でよく聞きます。
これはどういうことなのでしょうか。
そもそも「大気が安定した状態」とは、上に暖かくて軽い空気、下に冷たくて重い空気があって、それ以上は上下に動かなくてもよい状態です。
ドレッシングの容器の中で油分が分離して上の方に留まっている様子をよく見かけますが、あれも一種の「安定」の状態です。
逆に「大気が不安定な状態」とは、冷たく重い空気が上にあり下には暖かく軽い空気がある場合のように、不安定で対流が盛んに起きる状態のことです。
よく振った後のドレッシングは、水分と油分がまんべんなく混ざっていますが、この状態は不安定なので、放っておくと軽い油分が上に向かって移動しようとします。このようにして、不安定な大気中では対流が起きます。
上空に寒気が流れ込んできている状況では、上に冷たく重い空気(寒気)があるわけなので大気の状態が不安定になりやすくなります。
ここまでかなり難しめの話をしてきましたが、調べていくうちに興味を持った、「気温を表す○○日」と「日本の観測史上最低気温」について書いて終わりにしようと思います。
今までよく聞いたことのある言葉だと思いますが、このようにまとめて見ることは少ないかもしれません。
これらは現在気象庁が用いている公式の用語です。
もともと猛暑日という言葉はありませんでしたが、気候変動に伴って気温が35℃を超える日が増えたために新しく制定されました。
最近では気温が40℃を超える日もたまに見られるようになったので、新しい言葉が作られるかもしれませんね。
とても暑い日の話とは反対に、とても寒い日の話もします。
日本の観測史上最低気温は、1902年1月25日に北海道の旭川で観測された-41.0℃です。
ちょっと想像がつかない数字ですね。
同じころ青森県八甲田山では陸軍が雪中行軍訓練を行っており、多数の凍死者を出すという大惨事も起きています。
ところで、観測史上最低気温の上位20位以内を見てみると、今世紀に入ってからの記録は1つしかないということに気が付きます。
これは、最近しばしば記録を更新している最高気温とは対照的です。
やはりこれにも気候変動が影響しているのでしょうか。
今回はここまでです。長くて難しい文章を最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。