岡山大学公認サークル ダーウィニズム研究会

「農を考える会ダーウィニズム研究会」通称「D研(だーけん)」です。一時「自然科学研究会」に名称変更をしようとしていましたが、部員の話し合いの結果、もとに戻しました。

海の哺乳類とその進化

 こんにちは!D研です!

 アシカ・アザラシ・オットセイ・トド

 皆さんは、この動物の見分けがつきますか?年内最後の活動では、彼らについて発表しました。

 上に挙げたアシカやアザラシたちを「鰭脚類」と呼びます。「ききゃくるい」や「ひれあしるい」と読みます。脚がひれっぽいからでしょうか。

 鰭脚類は、アシカ科・アザラシ科・セイウチ科に分かれます。トドやオットセイはアシカ科に入ります。

 最も分かりやすいのはセイウチ科です。漢字で「海象」と書く通り、大きな牙と象のような体表を持ちます。寒いところに住んでいるのに毛が生えていないのは、皮下脂肪が発達しているからです。

 アザラシ科はずんぐりむっくりです。泳ぐのは得意でも、地上では芋虫のように這うことしかできません。

 それに比べてアシカ科は歩くことができます。トドもこっちの仲間です。あるゲームで、「青い玉のようなアザラシのキャラクター」が「名前にトドを冠する青いキャラクター」に「進化」するという話があります。これは少々混同しているのかもしれません。

 

 鰭脚類以外で、海にいる哺乳類では、ラッコやカワウソが思い浮かびます。彼らはイタチから進化して間もないグループです。大体かわいいです。

 他に「ジュゴン」というのもいます。これは人魚のモデルになった白い動物です。某ゲームには同じ名前で氷属性を持つキャラクターがいますが、実際のジュゴンは沖縄や東南アジアなどの暖かい海にいます。鰭脚類やラッコとも全く別の系統です。

 

 ところで、アシカ科とアザラシ科がよく似た雰囲気なのは、収斂進化の結果でしょうか。それとも、海に適応してから分かれた、近い親戚なのでしょうか。

 ある研究では味覚の喪失に着目しました。実は、アザラシやアシカには味覚がありません。地上で暮らす動物にとって味覚は重要です。味を認識することのできないサルは、腐った木の実を食べて淘汰されてしまいます。しかし、アシカやアザラシは海で魚を丸呑みにしているうちに、味覚を司る遺伝子に突然変異が起きて失われてしまったそうです。同じ理由でクジラやペンギンも味を認識できません。f:id:darwinism0616:20211229101628j:plain

 その研究では、海に進出したタイミングで味覚が失われたと考えました。突然変異した遺伝子を調べたところ、アザラシ科とアシカ科をまたぐ共通の変異は見つかりませんでした。アシカ科内とアザラシ科内では共通の変異が見つかりました。これは、アシカ科のグループとアザラシ科のグループが別々に海に進出したことを示唆します。

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 海にいる哺乳類で、忘れてはならないのはクジラです。実は、クジラとイルカの間には明確な区別はないそうです。また、彼らは偶蹄目に属します。要するにウシの仲間です。クジラの祖先は四本足で歩いていたようです。

 

 今回の発表はここまでです。D研メンバーは、クジラが「髭」を使って餌をこしとることやアザラシに味覚がないことを話して盛り上がっていました。

 今年の発表はこれで終わりです。それではみなさん、よいお年を。