岡山大学公認サークル ダーウィニズム研究会

「農を考える会ダーウィニズム研究会」通称「D研(だーけん)」です。一時「自然科学研究会」に名称変更をしようとしていましたが、部員の話し合いの結果、もとに戻しました。

地球温暖化対策への道 ~二酸化炭素の回収・貯留~

 みなさんこんにちは、だーけんです。

 今回は地球温暖化対策の一つである「二酸化炭素の回収・貯留」技術について調べてみました。

 

 近年はコロナウイルスの影響であまり話題に上がりませんが、地球温暖化は今なお人類にとって最も重要な課題の一つです。

f:id:darwinism0616:20200622130536p:plain

(出典)NASA: Climate Change and Global Warming https://climate.nasa.gov/

 地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも最も問題視されているのが、みなさんご存じ「二酸化炭素」です。排出量が他の温室効果ガスと比べると極めて多く、我々の生活と切っても切り離せない関係にあるということが、二酸化炭素への対策が重要視されている理由です。

 今や各国・各企業がこぞって二酸化炭素への対策に取り組んでいます。日本でも小池百合子都知事が「都で排出される二酸化炭素量を2050年には実質ゼロにする」という目標を掲げ、一躍話題となりましたね。

 二酸化炭素を減らす取り組みとして一般的なのは、例えば「産業分野での二酸化炭素排出量を削減する」や、「森林への植林・都市の緑化を通じて、植物に二酸化炭素を吸収させる」といった手段ですが…

 私が今回着目したのは、排出された二酸化炭素を回収して貯留する、「CCS」と呼ばれる技術です。

f:id:darwinism0616:20200622132544j:plain

(出典)資源エネルギー庁ウェブサイト https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html

 CCSとは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、日本語では「二酸化炭素の回収と貯留」という風に表されます。具体的には、発電所や化学工場から排出された二酸化炭素が大気中に放出される前に分離・回収し、地中深くに封入する技術のことです。

 2016年に発行された「パリ協定(2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組み)」では、このCCSが世界の累積二酸化炭素削減量の14%を担うことになる、と期待されています。

 また日本でも、2016年から2019年にかけて苫小牧で「CCS実証プロジェクト」というCCSの実証実験が行われました。そのプロジェクトで地中に封入された二酸化炭素の量は、なんと30万トン! 

 コストなどの面で問題もあるそうですが、この技術が普及すれば、地球温暖化対策の強い味方となるに違いありません。

 

 そして最後に一つ、CCSと関連したユニークな取り組みを紹介します。

 スイスはチューリッヒ州に位置するベンチャー企業「Climeworks」。その企業が行っているビジネスが、「大気中の二酸化炭素を直接回収する」という取り組みなのです。

f:id:darwinism0616:20200622134049p:plain

(出典)Climeworks https://www.climeworks.com/

 Climeworksが開発したのが、この「CO₂コレクター」。取り付けられたファンで空気を回収し、内部のフィルターで二酸化炭素を吸着。高純度の二酸化炭素を大気から分離して地蔵しつつ、二酸化炭素の取り除かれた空気を排出する…という装置です。

 回収された二酸化炭素は、上記のCCSと同様に地中深くに封入されたり、あるいは資源として様々な分野へと提供されるのだそうです。

 大気中の二酸化炭素を減らすために、大気から直接二酸化炭素を回収する。シンプルながら非常に画期的なアイデアであると言えます。

 ぜひ日本の企業も、その優れた技術力を存分に生かし、Climeworksのような革新的な温暖化対策方法を思いついてほしいと思います。

 

 以上、だーけんでした。

 ここまでの閲覧ありがとうございました!