岡山大学公認サークル ダーウィニズム研究会

「農を考える会ダーウィニズム研究会」通称「D研(だーけん)」です。一時「自然科学研究会」に名称変更をしようとしていましたが、部員の話し合いの結果、もとに戻しました。

マルクスの資本論は日本農業に適用できるか?

こんにちは,だーけんです。
ブログを書き忘れていたので,このテーマの発表からちょっと時間が経ってしまいました,ごめんなさい。

さて,今回の発表は発表者が最近関心をもっている「地代」についてです。
目的としては,
・今のところ勉強したところをまとめる
・↑だけだと情報量が少ないので,マルクスの考えた地代が発生する条件にあった日本農業の時代はあったのか調べてみる
といったところです。
全部かくと長くなってしまうので,ブログでは差額地代について勉強したところをまとめてみます。

〇そもそも地代とは?
ー農業分野では,土地所有者と資本者(=小作人)の間に発生する借地料のこと。
 この地代,マルクスの考えでは二種類(差額地代,絶対地代)に
 分けられるようです。
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〇差額地代とは?
ー農地には「土地そのものの豊穣度」に違いがあります。
 例えば,養分量とか,排水性とか。これらの違いは生産性の違いとなって
 あらわれます。
ここでイメージしやすいように,同じ面積の土地A,B,C(豊穣度A>B>C)を考えます。
それぞれの土地に等量の資本(肥料とか労働とか)を投入したとき,豊穣度の違いによって,生産物量はA>B>Cとなります(生産性の違い)。

もしもこの生産物が作られているのが世界のなかでこれらA~Cの土地のみで,また,社会的需要量と同じ量が生産されているとすれば,この生産物の社会的価値(=価格)はCの生産価格に規定されます。(生産価格=総費用+平均利潤)
需要を満たすためには一番コストのかかるCでできる生産物も必要だからです。

このときCも収益をあげられますが,A,Bは生産性がよいためもっと多くの収益をあげられます。まとめてみましょう。
・A=単価×生産量5
・B=単価×生産量3
・C=単価×生産量1
となります。単価(価格)は上で説明したように最もコストのかかるCで決まります。

もしもA~Cで土地所有者が耕作者と同じ人物ならA,Bの土地所有者は「やったー!」という感じなのですが,マルクスは耕作者が土地を借りている条件で考えています。すると土地所有者は,
「A,BではCと比べて余剰利潤が発生しているな。・・・そうだ,借地料としてとってやろう!」
これが土地そのものの豊穣度によって発生する第一の地代,差額地代です。

あれ。その流れだとCには差額地代がかからないじゃないか。
その通りです。

しかしながら社会的需要を満たすためにはCが必要で,Cを耕作するためには土地所有者にとって土地を貸すメリットがなければなりません。
これが第2の地代,絶対地代の発生メカニズムなのですが,長くなってしまうので,気になる方はご自分で調べてみてください。

次回は農業史っぽいことがテーマらしいです。
岡山大学には農業史の授業が少ないので楽しみですね。