岡山大学公認サークル ダーウィニズム研究会

「農を考える会ダーウィニズム研究会」通称「D研(だーけん)」です。一時「自然科学研究会」に名称変更をしようとしていましたが、部員の話し合いの結果、もとに戻しました。

バター不足から生乳生産システムを振り返る

こんにちは,だーけんです。
今週の活動で夏休み前最後の活動でした。今度部員が集まるのは収穫祭のメニュー決定の時かな・・・?

前期最後の活動では,会長が高校2年生の頃から気になっていたけど調べていなかったテーマ,
【バター不足と生乳生産システムの関係】
について調べてみました。

3~4年ほど前にニュースやドキュメンタリー番組で話題となった「バター不足」。
このバター不足の原因は,
①バターの生産が後回しになる
②計画生産による生産調整
の2つがあると考えられています。
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この2つの原因を考えるには,まずは現在の生乳生産システムについて知る必要があります。
そういうわけで今回は現在の生乳生産体制を振り返りつつ,バター不足の原因を考えていきました。

現在,生産~消費までの生乳流通システムは,
酪農家→指定団体→メーカー
となっています。

指定団体が酪農家とメーカーの間に入っている理由は,
①酪農家の価格交渉力up
②販売先を調整
③輸送コストの削減
などの理由があります。

指定団体は酪農家を代表して,協力団体としての役割を担っている,というわけです。また,生乳生産の特徴でもある貯蔵性が悪く,短期的な生産調整が難しいといったデメリットをカバーしているという面もあります。
このことを踏まえて,バター不足の起こる原因を見ていきましょう。

①バター生産が後回しになる
指定団体→メーカーに販売される際,価格において,飲用>加工用生乳の関係があります。
とういうのも,飲用生乳は殺菌などの加工費・品質保持チェックなどでコストがかかることもあり,メーカー買い取り価格が比較的高くなっているからです。

つまり,
【加工用生乳の価格が安い≒バター用生乳の販売優先順位は低くなる】
ということが言えます。
生乳生産量が低下した場合,バターが不足するのはこういうことです。

②計画生産による生産調整
指定団体の上部の組織会議で,「中央酪農会議」というものがあります。

この会議では全国に10か所ある指定団体の管理エリアのそれぞれに対して目標生産量を一年単位で提案&指定団体長会議(生産者代表として)で決定,という流れで【一年間に生産される生乳量が計画】
されています。

バター不足の起こっていた年は,2006年の生乳が大量に余る事態への対策の結果として計画生産量が抑えられていたがために発生した,ということが言えます。

以上2つの原因によりバター不足が発生していたことが分かります。
一方で,指定団体が私利私欲のために活動している,という趣旨のドキュメンタリー番組なども存在しました。

今回の発表ではどちらの説が正しい,間違っている,ということもまでは判断できませんでしたが,この課題について考える際の一つの資料としていただければ幸いです。

最後まで読んでいただき,ありがとうございました。